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後藤さんが牙を剥く

声豚腐女子のジャングルポッケ

※『君の名は。』のネタバレを含みます

※この記事は『君の名は。』のネタバレを含むので、映画を見ていない人は読まないでね!!
あとから文句言われても知らないからね!!!!


議題:事前情報によるギミックバレ問題


『君の名は』を見ました。
絵がすごい綺麗で神木隆之介の演技はかわいくてあと島崎信長石川界人に気がついた時に笑ったよね! あとストーリーも飽きさせないというか、次から次へと問題提起? なんていうの? 展開? があって、すごく楽しい。なるほどこれは話題になる。

というここまでが映画の感想。
本日の議題は作品のギミックと宣伝について。

それっぽい言い方をすると、現代社会は情報で溢れている。特に調べに行かなくても、興味がなくても、芸能人の色恋とか流行りのファッションとかの情報が入ってくる。『君の名は。』の動員数を増やしているのも、ばんばん流れるCMと評判の良さだと思う。
けれどそうやって与えられる情報は、たまに核心を私たちに知らせてしまう。

君の名は。』のCMで「出会うはずのない2人が出会った」って言ったのを聞いた。それでわたしは「なるほどこの2人は世界線か時間軸が違う」と感じた。で、それはストーリーのギミックの一つだったので、わたしはがっかりした。話の展開、ジェットコースターの山の一つが丸っと飛ばされたような気持ちだった。
だってそんな、江戸時代じゃあるまいし、現代社会で同じ世界にいたら出会えないことなんてない。CM見る限り同じ日本に生きてる2人だし、辺境の地に住んでるわけじゃないし、北海道の田舎から九州の田舎だって一日あれば移動できる。多分。
だから、「出会うはずのない2人」が成立するには「世界線が違う」か「時間軸が違う」のどちらかしかない。後者の場合、なおかつどちらかがこの世にいない場合しか"出会うはずのない2人"は成立しない。
そんでもって、映画開始3分くらいで社会人の三葉と社会人になっていない(スーツの前ボタンを開けて通勤する社会人はいないというぱっと見の印象)(開けてなかったらごめんな)瀧くんが映ったので、ああこれは後者だな、とわかった。
幸い、『君の名は。』ではそのギミックは、数ある展開のうちの一つにしか過ぎなかったので、わたしは少しがっかりしただけで済んだ。だが、作品唯一の大きなギミックだったりすると作品だったりすると、最悪だ。がっかりというか、「ああうん、そうだね、知ってた」って感じなんだけれど、作品唯一の大きなギミック、たとえば「犯人は主人公だった」とかの観客を騙す系、認識を覆す系は危険だ。映画一本丸っと見て、得られるものが「ああうん、そうだね、知ってた」になってしまう。あれはすげーー虚しい。
だから「君の名は。」はそういう意味でも非常によかった。ギミックがわかっても次から次へと展開が来るし、過不足なく伏線を回収してるし、すごい満足した。
あまりに決定的すぎたからか、その文句を謳うCMは一度だけしか見掛けていない気がする。どうなんだろう。気のせいかな。
ともかく、そういう、作品の重大なギミックがバレるような、とりわけ強い言葉を使う(絶対、とか、必ず、とか)CMはよしてくれないかな、とわりと切実に思いました、という話。

映画に限らず、「あなたは絶対騙される」とか帯に書かれてると、そのわずかな違和感探して本を読んでしまうからやめて欲しいんだよね。騙すなら黙って騙して欲しい。手品見に来てるんじゃないんだからさ。

まあそれで「知ってた」っていう感情しか得られない作品なんて結局駄作なんですけどね!?

ギミックはギミック、作品の主題は別に置きたいよね、なんて。戒めをこめて。